rosechocolat

ザ・スクエア 思いやりの聖域のrosechocolatのレビュー・感想・評価

3.8
リューベン・オストルンド監督の前作『フレンチアルプスで起きたこと』もそうだったんですが、畳み掛けるように外堀から埋めてく感じですよね。割と何回も「こうでしょ?」って繰り返すようにテーマを説くというか。だからこの尺になってしまうんでしょうけどね。

美術館、アートに関することがテーマなんだけど、時々入るエピソードもなんとなく浮世離れしてるところが面白い。美女首つかみだの、イキってる少年(あの子、もし成人なら銃ぶっ放してそうじゃなかったですか???)だの、寓話的な位置付けで入ってきている。そこにある意味はさして考えなくてもいい、それがアートなので、その感覚で観れるものを考えたのだろうか。少年はやたら正論でもあり、スウェーデンにも巣食う貧富の差をも現しており、上手い使い方。

結局のところセレブだろうが貧しかろうが同じことで、御託並べたてても自分が可愛いだけ…。少々長いですが興味深い作品でした。
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