オトマイム

ザ・スクエア 思いやりの聖域のオトマイムのレビュー・感想・評価

3.6
閑散とした現代美術館でインタヴューを受ける冒頭からどこかちぐはぐで胸がぞわぞわする。監督は人の心をえぐって動揺させて楽しんでいるみたい。あなたの化けの皮は簡単に剥がれますよ。ほらね、チョチョイのチョイ。そうしたらきっと不寛容とか虚栄心とか自己防衛心とか差別意識とかが膿のように流れ出すでしょう。

この妙な空気、居心地の悪さはロイ・アンダーソンと似たものがある。同じスウェーデンなんですね。モンキーマンに怯えながら愛想笑いをする人々の反応はすごくリアルでやっぱりぞわぞわした。この映画は観客の恥を映しだす鏡だ。いくらうがいをしても苦味がずっと残ってるみたいなあと味だった。
音楽の使われ方は巧みでかなり好き。