yuri

ザ・スクエア 思いやりの聖域のyuriのレビュー・感想・評価

3.9
観終わるまでずっと心にある異様な不安感
「助けて」「お恵みを」という言葉からも上手くは表現できないけど率直に何か怖いっていう感じ
何に対する恐怖なのか
助ける勇気を持てない自分を受け入れられないことへの恐怖なのか

I distrust human or I trust human
自分は人を心から信頼できているのか
自分は人に対して思いやりを持って接することができているのか

それを提起しようとしている立場でもある主人公がその場のノリとか勢いで欲望のままに無責任な行動をとったり
一方的に怒りを表すその方法があまりにも無作為で無計画で無配慮だったり
もちろん彼だけが悪いわけではないけど
相手があっての言動だから
でも彼の行動に影響を受けた人達がストレートに感情をぶつけてくる

物乞いを助けたり物乞いに助けられたり
子どもたちが何の疑いもなく“trust”を選んだこともその後主人公が誰にも相手にされず物乞いを信頼してお願いすることとリンクしていたり
あらゆる場面で物乞いに対して誰も彼もが存在を無視し無関心を決め立ち去ることも猿になりきるパフォーマーに最終的には関わらないようにその場をやり過ごし静かにじっとして立ち去るのを待つこととリンクしていたり

スクエアの中だけがフォーカスされるのではなく社会全体が自分ごとと捉えられるような注目のされ方をするためにはどのような広報活動がベストなのだろう

観終わってもモヤモヤが晴れない
これが人なんだなと
とても考えさせられる映画
yuri

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