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ナチュラルウーマンのzoeのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
3.6
オルランドの死を通して沢山辛い思いをして、酷い目にも遭った。マリーナはそれを過去にして乗り越えたけれど、彼を愛したことは彼女にとって美しい記憶であり続ける。彼と彼女が愛し合った時間はたとえ短くとも素晴らしく幸せだったように思った。

マリーナが何度も言っていたように、彼女には権利がある。オルランドの死を悲しみ、彼を見送る権利が。

たとえ心のどこかに受け入れられないという思いがあったとしてもそれは決してその人の存在を否定する理由にはならないし、個人の価値観で誰かを決め付けたりカテゴライズするのは考えがあまりにも未熟。

観ているのが辛くなるシーンもいくつかあったけど、全て現実。LGBTQIA+の存在がやっと認知されるようにはなってきているけど根強く残る差別はどんなに願っても行動を起こしても簡単には消えてくれない。ジェンダーやセクシュアリティで人を判断し、カテゴライズする。差別を差別だと気付けないひとや差別だと認めないひとが日常に溢れるなかで自分らしく生きていくことがどれだけ難しく、勇気のいることか。

マリーナは本当に強く美しい女性。彼女はいつだって誰よりも輝く存在。
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