しゅん

ナチュラルウーマンのしゅんのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
3.5
90度の角度で切り替わるショット編集と鏡・ガラスの反射が律儀に繰り返され、最愛の男の死に立ち会った”彼女”の苦難が累乗されていく。環境がハードになればなるほど美しさが高まるのが素敵でもあり残酷でもある。とはいえこれは「音楽」の映画だろう。ルンバにテクノ、ソウルにクラシカルな歌曲。あらゆる音楽がすべて彼女に寄り添っていて、どの音楽も極めて自然に鳴り響く。最後の歌唱の浄化ぶりがすごくて、どうしても涙を流さずにはいられなかった。アレサ・フランクリンから借用した邦題はかなりナイス。

後半の、パンチングバックを叩いて揺らしながら、本人は部屋を出て窓の外を通り過ぎていく固定ショットがすごく好きです。思い起こすとグザヴィエ・ドランとの親和性も感じるような。
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