Jun55

ナチュラルウーマンのJun55のレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
4.0
アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。(チリ映画としては初)
トランスジェンダーが主役の作品ということで話題になっている映画だが、本年度「The shape of water」や「Call me by your name」のようにマイノリティをテーマにした映画が高く評価されるということは世相を反映しているのだろう。

この映画ではトランスジェンダーの目線でのストーリーが展開し、Visible or Invisibleな差別に耐え、それを自ら消化、昇華していく姿が描かれている。終始、トランスジェンダー目線で表現されていて、その感じ方を知ることが大切であることを認識する。
自らもトランスジェンダーである主役のDaniela Vegaの演技も素晴らしいのだが、彼女が演出面で多くアドバイスをしているようだ。

馴染みのある英語の挿入歌も効果的だった。

この映画では差別と忍耐という現実に目を向けるべき、というメッセージなのだが、「Call me by your name」には、それがない。
それが「Call me by your name」の斬新さであり、魅力なのかもしれない。そんなことをこの映画を観て改めて感じた。
Jun55

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