YasuyukiMuro

ナチュラルウーマンのYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
3.8
アカデミー外国語映画賞受賞作品。
トランスジェンダーのマリーナ。
年の離れた彼を突然失うが、哀しみに浸る間も無く、世間の冷たい逆風に巻き込まれていく…という話。

周りから何を言われようが、自分の信じる道を力強く生きる。マリーナにはそんな強さと凛とした美しさを感じました。

周囲の反応については、マリーナ=善で、周囲=悪という単純な構図ではないと思う。元妻や息子にも言い分はあり、カトリックの国なら尚更。旦那が自分たちを捨てるキッカケとなった浮気相手だしね。元妻の立場で無垢な小さな娘もいて、どうぞ参列して下さいと快諾する人格者がどれほどいるだろうかとさえ思う。もちろん暴力はダメだけどね。

でもマリーナにとって周囲のそう言った反応は想定通り。だからLGBTの権利とかそんな事は一言も言わない。彼女は1人の人間としての望みを全うしたいだけだったんだよね。だから耐える、サンドバッグを殴りながら。

ミステリー的な要素があったり、印象的な映像も多い。ラストのマリーナのオペラをはじめ音楽も素敵で、見所いっぱいの映画でした!
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