◇私は…
二か月前に見た。
苦しすぎて、この映画のことを考えることを辞めてしまっていた。
LGBTの人たちを、LGBTだ、と定義付けることは、周りの理解を促すというメリットがありつつも、当人たちの個性を殺すような気がする。性が個性だと言う人もいるけれど、それはとても難しい問題だし、LGBTに当てはまらないマイノリティも存在するので、その人にとっても難しい問題。
マリーナは不倫をしていたわけだから、攻められて当然でもあるんだけど、
その本妻の口実が「こんな怪物と」と性のことしか言わないから、マリーナも私も怒りの感情を抱く。
だけど、マリーナが不倫していた事実は、彼女が何者であろうと変わらないから、言い返しにくい。そこがとても辛い。
性に焦点を当てただけであって、自分を唯一理解してくれる人を突然失った悲しみや喪失感を描いた、誰もが理解できる愛の話である。
恋人の本当の家族とマリーナの争いは、色々と考えるものが沢山あったけれと、
警察からのマリーナへの仕打ちはリアリティが無いように感じてしまって、「なんでそうなるんだ警察?」って思った。
ただ、リアリティが無いように感じるのは、私が生まれながらの変えられない何かが要因で、ひどい仕打ちを受けたことがないからであって、実際の世界はあれよりもひどいんじゃないかと思う。
人間として扱われることを願うって、とっても悲しくて、怒りが伴う。
映像的表現は、大胆で、飽きなかった。
笑ってはいけない、とか、そういう感情こそが、私が批判してるそれなんじゃないか、そしてその気づきもそれなんじゃないか、と考えるようにもなった。
難しかった。