なっこ

ナチュラルウーマンのなっこのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
3.4
悲しいことがあっても、過去に戻ることはできない、時計の針は進み続ける

でもね、何故だろう
パートナーの死を描いているのに、
容赦無い偏見で彼女には辛いことばかり起こるのに、

私には、確かな愛があったこと
それはけして揺るがないことを示してくれる、深い深い愛の映画に思えた。

世知辛いよね、

愛なんて所詮当事者同士にしかわからない
でも、だからこそそれが本当の愛だと言えるんじゃないのかな。

美しいマリーナ

あまりにも強くて美しい。どうやったらこんな風に撮れたのだろう。あまりにも彼女の味方が少なくて、救いなんてないかと思っていたら、良き理解者はやはり少数で、でもだからこそ、リアルだと思った。
怪物だと言われても、「その感想が普通です」と答える。怒りではなく理解で返す、なんて理性的なひとだろう。辛くても「必ず乗り越えみせる」と呟く。

過去の回想なんて描かれない

どんな風にふたりが出逢って愛し合うようになって、一緒に暮らすようになったのか

彼も彼女も何一つ語らない

それなのに、私には聞こえた気がする。亡霊として見え隠れする彼の声が。これはきっと心で見る映画ね。聞こえてくる声はきっと見る度に違う。でも、愛の言葉であることには違いないと思う。

マリーナ

若くて美しいマリーナ

ここでお別れだよ。
こんなところに居てはいけない、もう行くんだ。ここには、見ての通り、“死”しかない。

マリーナ

人生の最後を美しいものにしてくれて、本当にありがとう。
さぁ行ってくれ、人生は続くんだ。

僕の美しいマリーナ、
もうわかっているだろう、これが最後の贈り物だ。
僕の愛したままの君でいてくれ、そのままの君で歩いていくんだ、さあ、顔を上げて、

マリーナ

そう、それでこそ僕が愛したひとだ。