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ナチュラルウーマンのkのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
5.0
主人公がトランスジェンダーで、役者自身もトランスジェンダーは史上初。
新しい時代だ!とウキウキになりたくなるけど、スクリーンの中で主人公・マリーナは差別とタイマンの日々だちくしょうめが。

純粋に愛し合っていたオルマンドをたった1晩で、それも彼女の誕生日の夜に失ってしまったのに、周囲の他人は彼女を労るどころかひどい攻撃ばかりする。もちろん理解者はいるけれど。
法的に守られることもなく、一緒に住んでいた家も引き渡さねばならず、葬儀に行くことすら拒否される。
でもマリーナはふさぎ込んだりしない。ちゃんと働くし、歌う。
瞳はいつも悲しく輝いていた。

"なぜ来たのかしら。愛を探しに来たのかも。"

"私を君の愛の動機に、私を君の平和の手段に"

この作品の美しいところは、マリーナの強さに感情移入できるところ。自分の中の強さを見つけ出せる。マリーナはいつも最高にマリーナ、私は無意識に彼女の手を握っている気持ちだった。
監督のインタビューにある通り、誰もがマリーナと深い絆を結ぶことができると私は信じます。

トランスジェンダーをオカマだと罵る価値観はあまりに古いし、私は早く皆が理解していることが当たり前の社会にしたいなって思う。
トランスジェンダー=体と心の性が一致しない なので、世間的な男性の体で心は女性であるとすれば、"女になりたい"じゃなくて、"女なのに体がそうじゃない"。それについて周りは当事者が"どうなりたいか"に寄り添えたら1番なのではないか。

主演をつとめたダニエラさんはほんとうに美しい。なんでそんな輝いてんねんって感じやしもはや。笑
彼女は次回作で女性として役を演じるとのことで、活躍に世界が期待するね。
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