みあせぶ

ナチュラルウーマンのみあせぶのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
3.3
結局受け入れているのは一部の人だけ。

アカデミー賞受賞作品。
気になっていたので鑑賞。

チリ映画ということですが、観た感じアメリカよりもLGBTへの理解が進んでいないのかなと。これは日本と同じぐらいのレベルですかね。なので日本の実状と照らし合わせながら観ることが出来ました。

映画界でも最近取り扱われる機会が増えたLGBTやマイノリティ。非常に様々な意見を持っている人が多く、残念なことにに意見が分かれることも多々あります。

私の身近にもトランスジェンダーの方がいます。他人事だと思って見過ごせない問題になってきているのです。
彼ら(彼女ら)と接していると、自分よりも画一された自我を持っていて、強くしっかりと生きています。私はそれが羨ましいな、と常々思っていました。

本作のマリーナはマイノリティの方のそんな所をぎゅっと凝縮して体現しているのではないでしょうか。
マリーナは愛する人が亡くなり、頼りたくても頼れる人がいない。
だからこそ、1人でもしっかりこの社会に根を張って1人の女性として生きている。
逆境の中に生きることで、より生を感じることが出来る。
そこには、生まれてきた性のまま、なるがままに生きてきた私たちが一生感じることの無い感情が溢れているのかもしれません。
そんなことをこのマリーナを見ていて強く感じました。

結構衝撃的なシーンもありました。
車内のあのシーンは口を抑えずにはいられなかった。あれは酷い。

良くも悪くも現代のLGBTに関する考え方が身にしみてよくわかる作品でした。
みあせぶ

みあせぶ