まー

ナチュラルウーマンのまーのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
4.5
トランスジェンダーではなくマリーナという一人の女性の物語。
原題のまま「ファンタスティック・ウーマン」でも良かったし、なんなら「ワンダー・ウーマン」でも良かったと思うんです。とにかく強い、かっこいい。多分、実際にこういう人なんでしょうね。ダニエラ・ベガ、大好きです。

それだけに周りの人間の醜さが際立つ。

劇中登場する彼女を取り巻く登場人物のうち自分は誰に一番近いだろうかと考えた時、多分、あの女性刑事なんだろうなと、自分の心の醜さにも気付かされました。程度の差はあれど、偏見なく接しようと思っていてもやっぱり色眼鏡で見てしまう。"理解しているつもり"でいるというのが一番危険なんでしょうね。

脚本も素晴らしかったです。うまく端折って行間を読ませる構成は実に巧かったです。
ロッカーの件、解釈は色々あると思うのですが、"残されていたのは希望"なんて安直なオチじゃなかったのが良かった。ラストによってはフツーの作品になっちゃっただろうし。

鈴木みのりとかいうライターがツイッター上で、盛大なネタバレをしながらこの映画とLGBT論について論争を繰り広げていましたが、そもそもこの映画の本質が見えていないことに気づいていないという…

アカデミー賞外国語映画賞受賞も納得の作品です。外国語映画賞ノミネート作品の方が作品賞ノミネート作品よりレベルが高い説…
まー

まー