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大河のうたのmareのレビュー・感想・評価

大河のうた(1956年製作の映画)
4.0
オプー三部作の二作目。前作でオプーの幼少期を描き、今作は新しい地で暮らす家族とオプーが大学に進学するまでの青年期を描くが相変わらず観ていて辛すぎる展開。今作は母と息子という部分に焦点が置かれる。貧乏な家庭で唯一の希望であるオプーは勉学に励み優秀な成績を残し親の元を離れ新たなスタートを切る。時折、手紙を送られてくるも離れ離れの生活に母の心は痩せ細っていき、息子の自立や成長を喜びつつも孤独な日々をおくる母の姿は心が締め付けられる。その一方でオプーは晴れやかな青春を謳歌していて、故郷を退屈に思いなかなか帰省するに至らない描写だったり、かつてのような純粋さが見られず自分の道しか真っ直ぐに見ていなかったりと、本来なら親孝行であるはずの行為が無意識に心の距離を開いていってしまってるのは虚しい。もうやめてくれと言いたくなるようなラストシーンは衝撃。
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