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散り椿のkrhのレビュー・感想・評価

散り椿(2018年製作の映画)
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大切な人への愛情が、自らの身体を突き動かす、武士の本分が清くて美しい物語。しかしながら自分に時代劇リテラシーがなくて、きっととてももったいなかったと思う…

木村大作監督(達筆)、当然のように撮影がとにかく美しかった。室内から抜ける、それぞれ時候の違う外の光景がどれも素晴らしく絵になって、まさに正しく借景されている。ライティングやら諸々のこだわりがどれだけ費やされたんだろう…
さらに、雪がパラパラ降り積もっていく音やギュッと踏みしめる音が、(映画館だからこそ)サラウンドで聴こえるもんだから、自分の周りの空気まで冷たくなっていくようで。

美術もバツグンに美しくて嘆息。実際の寺で撮影する本物の説得力。衣装もそうだし、小道具ひとつとっても、さりげないのに決して安くはないと分かるもの。お茶碗なんかは、天目台あたりも含めてきっとどれも良いものなんだろうと思った。

岡田准一は大河張ってただけあるなあという感じで、今回は殺陣の立ち回り自体にも深く関わったようだし、そもそも体躯がダントツに違ってた。現在の日本映画のアクションでは、彼の右に出る人いないのでは
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