賽の河原

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。の賽の河原のレビュー・感想・評価

1.7
なんで死んだふりをしているのか?という点だけ気になって観に行ったんですが、その点を観客に投げるというね。半端ないですよ。そんなんできひんやん普通。
まあ別に死んだふりをする理由だって分からないでもないんですが、その件と「夫婦とは」という話も「夫婦って、難しいですなあ...」みたいな割と凡庸な着地ですし、大谷亮平夫妻が「不妊」っていう夫婦問題としては重めのテーマを扱いつつもあんまし本題に効果的に絡んでもなかったり、「白い巨塔」の大河内教授の営むクリーニング屋の件にしても、上司にしても、榮倉奈々のお父さんのエピソードにしても、色んな話が出て来るんだけども全体的にチグハグでなかなか2時間が長かったですな。
一番やべえと思ったのは、榮倉奈々が劇中で複数回唐突に「月が綺麗ですね」って言うんですよ。
当然、常識的に考えて観客は「月が綺麗ですね」って"I love you"を漱石が「月が綺麗ですね」と訳したとされるエピソードくらいみんな連想すると思うんですけど...。
榮倉奈々の旦那を演じる安田顕さんが、終盤に「月が綺麗ですねって......"I love you"のことだったのかーー!!!」って気づくくだりがあってですね。普通に「は???」っていうね...。
妻が死んだふりをする件に関してコミュニケーションを取りに行かない件といい、この無教養ぶりといい、映画観ながら「一刻も早くこんな無能男とは別れた方がいいのでは?🤔」と、思わないでもなかったですよ。
ただまあ榮倉奈々は可愛かったですし、死んだふりもまあもっと映画的にむちゃくちゃなフィクションに寄せちゃえよ〜とか思いましたけど、まずまず笑えないこともなかったですし最高でしたね。ビールの注ぎ方にこだわったと思ったら、その後のビールの注ぎ方は適当だったりっていう描写とかを見るに、別に真剣に作った映画じゃないんじゃないですかね。
とりあえず、榮倉奈々にお城に誘われたい人生でしたね。
賽の河原

賽の河原