ぐりこ

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。のぐりこのレビュー・感想・評価

2.6
榮倉奈々演じる妻がとにかく不思議系なんだけど、あの笑顔でコミカルにする前半。
タイトルのとおり、次々と繰り出される妻の死んだふりはけっこうおもしろい。
榮倉奈々のコスプレ祭でもある。

後半は急にトーン変わって、ニセ竹野内カップルも絡めて、なかなか考えさせられた。
回想の入れ込み方が上手ではないけど、悪い気持ちにはさせない。ギリギリで。


とはいえ、お話の鍵になるのはもちろん「妻の死んだふり」、ひいてはその理由。
なのだけど、結論からいうと、その理由は明示されない。
一番大切なところを風でかき消すのだ。まじか、平成も終わるのに。
答えは風の中ってBob Dylanかよ。
The answer is blowin' in the windかよ。
フジロックではボブディラン見ましたか?僕は見ましたよ。

・・・まぁ理由は類推することもできるけど、たぶん理由は重要じゃなかった、てこと。
このレビューがぶれてるのはわかってるけど、そういう作品だったと思う。
フォーカスしていった先はふわっとしていて、そこは重要じゃないと言われた肩透かし感。いい意味でなく裏切られた。


本筋でないけど、所々に名著文学の表現を差し込んでいて、それを伏線にするのはわりと好きだった。
「人生には3つの坂」っていう話をカルテット以来できいたけど、あれ、一般的なネタなの?カルテットのオリジナルだと思ってた。

最後にチャットモンチーのED、えっちゃんの声といいテンポといい、とてもよかった。
ぐりこ

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