Jin

さよなら、僕のマンハッタンのJinのレビュー・感想・評価

3.6
“人生に身を委ねろ。窓を見つけて、飛び出せ”



NYアッパイーストサイド生まれの少年が、平凡で刺激のない毎日から抜け出し、成長する物語。1人の少年の家族・恋愛・成長に、NYという街を投影した作品。


かつてアート発信地だったNYは今や、商業主義に飲み込まれ、街も人もまさしくモラトリアム状態。
街の地区によるイメージの違いや、ニューヨーカーとしての誇りをもつ大人と、アイデンティティを失う若者…
若者の成長だけでなく、NYという街の歴史を重ねるから面白い。

本を読み、歴史を学んだだけで全てを知ったつもりでいる若者の「世間知らず」感をこうもハッキリ表現されると、同じ若者として痛い。
ただ、大人からすると若者みんなこう見えてるんだろうな…

何も見ず考えずに、知ったつもりで現状に文句を言っても何も変わらない。
苦しくてもいざこざに触れ、自分の弱さを認める。
それが先に進むことなのだって感じ。

その複雑な人生経験が人間を「ミステリアス」に変え、魅力的にしてくれる。

途中まで、若者の「若さ」を見せつけられる面白さがあったのに、途中から突然、小説のような複雑な関係性と「愛」の話になっちゃう。アメリカっぽいなぁ。恋愛!って感じ。
ちょっとウディアレンっぽい。

メッセージとしては、「人生は乗り越えるしかないのだ」っていう割とありふれたものだったけど、音楽とかジェフブリッジスのかっこよさが良かった。

ジェフブリッジスって絶対に酒飲んでタバコ吸う役なんだよな。
マークウェブの映画は観やすい。
Jin

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