けーはち

さよなら、僕のマンハッタンのけーはちのレビュー・感想・評価

3.3
主人公の青年は作家志望だが出版社社長の父親のコネで働くことを潔しとせず悶々として恋愛もうまくいかない。彼は風変わりな隣人と出会い、人生相談をするように。そんな中、父親が愛人と密会する現場を目撃し──都会の真ん中で人生を見失った青年の青春ドラマ映画。スノッブなボンボンがブルジョア親父の社交や女遊びを見て「クソッタレ俗物め」と思うが彼自身未だ何者でもない。モラトリアムからの脱却と成長のためあがき、親父の愛人を寝取るという大胆な行動(笑)に出る。それが突破口になって色々変わっていき(中盤までは昼メロかな、って感じではあるが)最後に両親と隣人の秘密を知り「自分が何者として生を受けたか」に到達するという少しツイストのきいたドラマが展開される。渋いイケ親父ブロスナン、エロい愛人ケイト・ベッキンセール、謎めいた隣人ジェフ・ブリッジスらがあいまって良い味を出している大人の群像劇でもある。