あんじょーら

さよなら、僕のマンハッタンのあんじょーらのレビュー・感想・評価

2.4
マーク・ウェブ監督と言えば、私には「(500)日のサマー」の監督、という事になると思います。とても変わった映画ですけれど、主演の2人、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとズーイー・デシャネルがとても雰囲気があって、好きな映画です。

そんなマーク・ウェブ監督の新作の音楽がサイモン&ガーファンクルだったのと、マンハッタンという地名に興味があって見ました。


2018年見逃し後追い作品 その6です。


大学を卒業したトーマスは進路を決められず、気になる娘のミミは書店員として働いていて話しはするけど、今一つ関係が先に進まず、父は経営者として仕事は出来るけど疎外感があり、母は気分の上げ沈みが大きくて。そんなある日、隣りのアパートに引っ越してきたジェラルド(ジェフ・ブリッジス)と親しくなり・・・というのが冒頭です。


うん、映像は綺麗だし、秋のNYを感じられるし(それって私にとってのベスト級の「恋人たちの予感」だ!)、キャラクターもエッジが効いていますし、と良い所も多い作品だと思います。特に主人公トーマスと同年代の時期に見ていたら、とても特別な1作になっていたと思います。が、私はもうすぐ50歳のオジサン、いや初老なので、最近はこの手の青春映画に対してとても距離を感じるようになってしまいました・・・


サスペンス要素もありますし、大人な関係の機微も描けていますし、両親との関係も面白くなっていると思います。

でも、ですけど、少々物語が、ストーリィが主人公トーマスに収斂し過ぎるので、トーマスに感情移入出来ないと、都合良すぎる作品に見えると思います。


ジェフ・ブリッジス、とっても好きな役者さんなんですが、年齢を重ねて良くなる役者さんのタイプとはちょっと違うのかも知れません。演技も悪くないとは思いますけど、ジェフ・ブリッジスの最良の時間は終わりを告げたのかもしれません、今年の最初の頃に見た「キングスマン ゴールデン・サークル」に出演されていた時も感じましたけど、出てくるだけで画面が映える、というあの独特のオーラのようなモノは感じられなかった、残念です。


主人公トーマスと同じような、大学卒業のモラトリアム期に居る方にオススメ致します。