わたふぁ

さよなら、僕のマンハッタンのわたふぁのレビュー・感想・評価

-
大学を卒業して一人暮らしを始めたが、将来のことは迷走中で、マンハッタンで悶々とした日々を過ごすトーマスの物語。

なのだが、一番迷走しているのはマーク・ウェブ監督ではなかろうか?
ビックリするほど想像の範囲内に収まる、こんな古典的にドラマチックな展開の映画、ひさびさに見た。(ウェブ監督のせいなのか、「素晴らしきかな、人生」と同じ脚本家のせいなのかはわからないが...)

ジェフ・ブリッジスのパートがめちゃくちゃ良かった分、残念でならない。

序盤、トーマスが「僕のこの先の人生なんて平凡で退屈なもんさ〜」と言ってやさぐれていると、ジェフ・ブリッジス扮する年老いた隣人が「いやいや、人生は作為的にして無作為なもんだよ」と助言する。

あれこれ思考が及ばない部分、コントロールできない範疇があることを知って、あまり頭でっかちにならずに動けよ、若造よ!と言われた気がした。
あるいは、自分の人生を上手くコントロールしなきゃ!もっと頑張らなきゃ!と常にストレスフルになっている部分に「無駄だよ。肩肘張るのも休み休みにしなされ」と優しく諭されたようにも感じた。
ジェフ・ブリッジスだからかな、沁みる。