面白い作品。あまり期待しないで観たので完全にやられました。
ニューヨークの作家志望の冴えない青年が、出版社を経営して成功している父の不倫を知って不倫相手に別れるよう忠告。すると自分も彼女に夢中になり恋仲になっちゃうという、やりたい盛りの若者の恋愛劇をきれいに皮肉を込めて描いた青春映画っぽい話、が前半まででした。
ところがどっこい、 終盤は全く予想してなかった展開に。そうきたかーって感じで、前半の雰囲気に完全に騙されました。いろいろな伏線回収もあって、なかなか巧妙に作られてます。後から冷静に考えると疑問点もあるんですが、観てる間はそう思わせないところがうまかったです。
出てくる人がみんな作家関係者という設定だからか、一人一人のセリフがいちいち文学的、哲学的で、作品に知性や深みを感じました。音楽の使い方のセンスがよく、全体的にとてもオシャレな雰囲気なのも好きな点です。最後の方のボブ・ディランもうまいなぁと。ニューヨークを生かした舞台を含め、ウディ・アレンの作品(ほど退屈ではないけど)の匂いも感じました。
先代の007はずっと作品に恵まれてなかったけど、今回はとても素敵でした。ジェフ・ブリッジスも良かったなぁ。ケイト・ベッキンセールはさすがにちょっと老けたかも?
何はともあれ、よくできた作品でした。若いころより大人になってからの方が楽しめる作品かも知れません。