ゆりへなちょこ

MR.LONG/ミスター・ロンのゆりへなちょこのネタバレレビュー・内容・結末

MR.LONG/ミスター・ロン(2017年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

あらすじを観て「殺し屋対ヤクザのバイオレンス映画かな?」と勝手に思い込んで観たら全然違った。

殺し屋の幼少期と少年の状況が同じだったり(貧乏で母親がシャブ中)ヤクザに追われる殺し屋ロンが遭遇したヤクザに復讐をしようとして殺される男が実は少年の父親だったりと、「この広い世の中でそんな簡単に繋がるもんなの!?」と正直疑問に思う人もいるだろうが、その部分はファンタジーだからと受け止めることが出来たら最後までこの映画を楽しめるのか、と。

私は超好きな映画。
畳み掛けるようなテンポ良い人情お節介にロン自身も疑問を持ちながらも、テンポの良さで戸惑い受け流されながら馴染んでく様子が良くて、観てるこっちも微笑ましく笑いながら観てたところに少年の母親が自殺した辺りの展開から映画が終わるまで涙が止まらなかった。

近所の人達と少年の前で本来の冷徹で非情な殺し屋部分を発揮してヤクザを一瞬で片付けるシーンは大切な人達を守るためとはいえ、その先には彼らと決別して元の生活に戻らなければいけない悲しさと孤独が伝わってきて涙が止まらない(ついでに鼻水も)。

映画はここで終わるかとおもいきや、一度はロンから距離を置く(置いたからこそ)みんなが少年を連れていつものお節介人情さ全開でロンに会いにきたシーンで追い討ちをかけるかの如く涙が止まらない。
これぐらいオーバーなお節介人情だったからこそ、孤独で人を信じてこなかったロンの心をこじ開ける事が出来たのかな。

同じ過去を背負った少年と家族になったロンはおそらく殺し屋を廃業し、高雄で牛肉麺の店を開いてたらいいなぁと。

映画にでてくる料理がどれも超絶美味しそうだった!