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折り梅のstilograficaのレビュー・感想・評価

折り梅(2001年製作の映画)
3.0
痴呆になった老人と、介護にあたるその家族の絆を描いた作品。
姑と嫁という、問題の大きくなりそうな同居家族を取り上げ、社会的な問題がクローズアップされています。

物語はたしかにハートウォーミングですし、画も美しいのですが、一方で類型的な人物造形、葛藤など心理描写の不徹底、いささかご都合主義的なストーリーなど、物足りなさが残ったのも事実。
社会派を志向するのであれば、もっと当人や家族の苦しみ・悩みと、社会に内在する問題を徹底して描いてほしいところでした。
主演の原田美枝子も、どこまでも美しいままで、二時間もののホームドラマのような印象が否めません。
もちろんそういう作品があってもいいのですが、痴呆や介護という深刻な問題を正面から扱おうとしているだけに、もう少し突き詰め、飾らずに描いてほしく思われました。
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