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シモン・マグスのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

シモン・マグス(1999年製作の映画)
3.2
【これは『エンド・オブ・デイズ』では?】
『心と体と』未見だが、イルディコー映画に初挑戦。先日オフ会で会ったシネフィルが今年の旧作ベストに挙げていたのでワクワクしながら観た。タイトルは『シモン・マグス』なだけに、どうやら宗教的話らしい。

ただ、重苦しい話ではなく、むしろシュワちゃんの『エンド・オブ・デイズ』に近い作品であった。

パリのリヨン駅に呼び出された魔導師シモンは、警備員と喧嘩中の女に一目惚れする。殺人の捜査の手伝い(普通に溶け込んでいるが、そんな神秘に頼って大丈夫なのか?)は上の空。解決する気あるのか?というほどになあなあとパリを彷徨う。そして、ハゲから儀式の計画が知らされる。

シモンマグスとはキリストの対抗者、いわばヴィランである。闇の魔術師シモンが、天使のような、キリストのような存在ジャンヌに惚れてしまい、さあどうする?という、神話の脱構築がここで展開されているのだ。

宗教に疎いので、ぶっとんだ展開の意味がよく分からないのだが、音楽の鋭さと浮遊感ある映像は圧倒的作家性が滲み出ていて、ぐいぐいと引き込まれていく。汚いパリの風景を映しているのにカッコイイ!

そして、シモンの童貞感全開の気持ち悪い視線の先にいるジャンヌの美しさには私も惚れ込んでしまった。
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