Iri17

伊藤くん A to EのIri17のネタバレレビュー・内容・結末

伊藤くん A to E(2017年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

始まって1時間が鬼のように退屈で、これはもう1点台かなと思っていたけど、ラスト30分はとても面白かった。

脚本と演技に全くリアリティがない。いつもすごくいい演技している岡田将生が最初からものすごい大根っぷりで、こいつどうしたって感じだったが、3部構成で言ったら3部目あたりのあるシーンから、いつもの素晴らしい演技になった。この伊藤くんという男は現実に背を向け、他人とも社会とも決して本心で付き合わない男で、いわば24時間365日他人に合わせて演技しているような男だから、わざとあのような軽薄な演技をしているのだと感じた。

伊藤くんは誰かと競ったり、誰かを愛したりしない。傷つくくらいなら始めから真剣にならず、真剣な人を弄んで嘲笑っている。決して他人と同じリングには上がらないので、常に彼の不戦勝というある意味最強で、現代社会が産んだモンスターだ。終盤ヒロインが伊藤くんと論戦する場面があるが、明らかに言い負かされている。徹底的に利己的で、全てから逃げる。でも表面的には逃げておらず、周りを嘲笑って楽しんでいるからタチが悪い。しかも、なんだかんだ全ての女性を成長させ、解放している人類史上最もクズなメシアであるから、クズいのに心の底からこいつの存在を否定できない。早くも今年最強のヴィランが出てきたようだ。

でもやっぱり序盤がめちゃくちゃ退屈で、最初から終盤のようにぶっ飛ばしてくれたら4点くらいつけられたのにと感じた。そもそもAとBの必要性は脚本上ほとんど感じられず、『伊藤くんC to E』でもよくないか?というレベルなのが残念。無駄なシーン削ぎ落として80〜90分くらいでいい。あとキャスト豪華にして客を釣ろうとする魂胆が丸見えでムカついた。

木村文乃さんと志田未来さんの演技がすごい良かった。夏帆さんもすごく役柄にハマってた。池田エライザは相変わらずエロ過ぎ。出演作観るたび思うけど、同い年かいな!

伊藤くんマジヤベー奴だけど、考え方が僕とかなり似ていて怖くなりました。自分変えないと周りにこう思われてたらどうしよう…(考え方が似ているだけで、ここまでクズじゃないですよ!)
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