ペコちゃん

伊藤くん A to Eのペコちゃんのレビュー・感想・評価

伊藤くん A to E(2017年製作の映画)
4.2
伊藤くんを巡る5人の女性たちの生き様。彼と関わることで、それぞれが心の内に抱えてきたものが明らかになっていき解放されていく。そんな様子はみていて面白かった。伊藤くんは決して好感が持てるような人ではないけれど、彼女たちを解放してあげた点ではいい仕事をしていたと思う。

矢崎女史と伊藤くんの最後のやり取りは見応えがあり考えさせられた。リングに上がらない伊藤くんに対して、世間では冷ややかな視線が向けられることを想像すると、あそこまで貫き通せる伊藤くんは逆に凄いなと思う。彼の人生が今後どのように進んでいくのかわからないけれど、自分が本当に納得がいって満足できる生き方ができればそれでいいんだと思う。

矢崎女史も長年封印していた風呂のフタをあけることができてよかった。

昔の恋人である編集者が矢崎先生ではなく、莉桜と名前を呼びながら駆けつけたシーンは印象的だった。