NASAが受信した3つの謎を一人の男が解き明かすSF作品。
物語としてはNASAが受信した3つのノイズを解明するため、土星の衛星タイタン、海王星、準惑星エリスの3ヶ所へ旅立つことになった。任務の期間は10年間。任務を請けたネルソン大尉は妻を残し、孤独の旅に出た。
宇宙での冒険を扱った作品は数多くありますが、本作品ほど予算が少なく、ツッコミどころが多い作品も珍しいんじゃないかと思います。宇宙船のチープさ、宇宙服のペラペラさ、インターネット初期を思い浮かべるCG、発信源のノイズの回収がプラスチックの箱…と数えればキリがないほど宇宙に対する愛が足りません。
物語としても重要な任務にネルソン大尉一人で飛び立つ理由が不明。大きなプロジェクトなのに、なぜ単独行動なのか。また宇宙での孤独をテーマに扱う作品も多い中、彼は10年の孤独も平気でした。他、髪も伸びないし、登場人物に対する愛がありません。
では、描きたかったことは何なのか?と言われると分からない。アクションもなく、サスペンスもなく、退屈な展開が続く。ノイズの発信源である球に触ると映像が流れるが、その映像は何なのか?を語られることはない。つまり、宇宙の壮大さも、家族愛も、未知なる惑星も、何もテーマとして存在していない。
虚無を味わうことができる作品でした。鑑賞することが時間の無駄であり、その時間を取り戻すことができないことを教えてくれました。