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三尺魂のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

三尺魂(2017年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

インターネットで知り合った4人の男女が集団自殺を計画する。その内の1人が花火師なこともあり、自殺の手段は三尺玉の起爆による爆死と決定される。待ち合わせ場所に集まる4人であったが、最後にやって来たのが女子高生だったこともあり、他の3人は自殺を思いとどまるよう説得を始める。それに憤慨した女子高生は三尺玉の起爆スイッチを押すのだが、爆発と同時に4人の集合前に時間が巻き戻ってしまい…という話。

ネットでの評判を見ていると映画の「キサラギ」似ているという声があった作品。確かに密室会話劇で各人の秘密を洗い出す構成は似てるかも。
時間が巻き戻るたびに、巻き戻った事実を認識する人数が1人ずつ増える仕組みで、認識していないメンバーにその事実を伝える対話が毎回面白い。ただ、登場人物たちが抱える自殺の動機の明かし方や解決方法があまり共感できず、人物像の掘り下げをもう少し工夫すればもっと楽しめたのかなあと思った。SF設定もそんなに必要性ない気もするし。対人恐怖症とパワハラに苦しむ研修医に対し、津田寛治演じる花火師が「患者を助けるためにがむしゃらにやれよ」みたいなアドバイスをするのだが、それで済むなら苦労はないわけで、その物言いは本当に不快に感じた。事が済んだあとに各人の未来のシーンが続くのだが、都合よく綺麗事が並べられているようで、蛇足に感じた。時間の巻き戻りの中で起きた出来事が未来に影響するとかあれば良かったかも。
邦画を観るたびに津田寛治に当たる率が高い。この人の役の振り幅はすさまじく。先日は残酷極まり無いヤクザを怪演していたかと思えば、今回のような人の良い人物もソツなくこなす。すごい。
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