てっぺい

パーフェクト・レボリューションのてっぺいのレビュー・感想・評価

3.5
リリー・フランキーがハマり役。身体的な障害と精神的な障害を抱える“不完全”な2人が、その障害を越えた愛の形を模索する“不完全”ラブロマンス。
企画・原案は、障害者の性を訴え続ける活動家・熊篠慶彦。その長年の友人であるリリー・フランキーが協力したいと出演を決めたらしい。
リリー・フランキーのどこかいつもひょうひょうとしている様子が、この熊代という役柄を通して、障害を持つことの重みをすごくライトに見せてくれていたと思う。“見ての通り手も足も出ねえよ”。そんなセリフが、見るこちら側の肩の力を抜いてくれる。
障害者の性を主眼に描く作品なのかと思いきや、それはあくまでも入り口で、障害を抱える“不完全なふたり”が、いかにその障害と共生していくか、そこが主眼の映画だった。ただそうする事で、身体障害者の性を恩着せがましくもなく、重々しくもなく、ライトに描けていたと思う。いつのまにか、身体障害の事を忘れて見入ってしまう不思議な映画だった。
事実に基づいたフィクションというクレジットだったが、フィクションと言い切ってしまうのなら、エンドはもっともっと派手なハッピーエンドか、その真逆かに作って欲しかった。それが映画のエンターテイメントなんだから。
てっぺい

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