柏エシディシ

ラッカは静かに虐殺されているの柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
ジャーナリズムの本懐とは?
「我々が勝つか。皆殺しにされるかだ」
スマートフォンを武器に己が命を危険に晒して戦い続けるRBSSのメンバーの矜持に身も心も震える。
前作の「カルテルランド」も危険なドキュメンタリーでしたが、本作も凄まじい。

寄り添うカメラは、彼らが決死の覚悟を決めた戦士である以前に、自分の生まれた故郷を愛する、世界中どこにでもいる若者たちのひとりに過ぎないという事も気付かせてくれる。
私たちは彼らの様に、自分たちの生活や家族や隣人の為に戦う事が出来るだろうか。
考えずにはいられなかった。

シリアやラッカの街の情勢は、この映画の頃からまた変化してきている。
ラッカは陥落しISは撤退したものの、事実、市民の犠牲はそのほとんどが西側諸国の軍事作戦によるものだし、解放軍による略奪も横行しているという。
RBSSの戦いはまだ終わっていない。
柏エシディシ

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