菩薩

ラッカは静かに虐殺されているの菩薩のレビュー・感想・評価

4.1
自分の愛し育った故郷が破壊の限りを尽くされ処刑場の場と化し黒く染まって行く、そんな状況に反抗の声を上げる市民の力。世界に渦巻く絶望はテロリズムを生み、テロリズムは人から人へと容易に感染し再度世界を取り込んで行く。もはやIS自体は壊滅に瀕しラッカも開放されて久しいが、ISが世界各地にばら撒いた殉死の思想は今後も消える事無く、一つの爆弾で多くの罪なき命が消費されていく現実は続いていくのだろうか、あの子供達によって。今後歴史の教科書では「ポスト冷戦」として扱われるであろう現在の米露の対立、その代理戦争の主戦場と化してしまっているシリア、空爆の雨が止み、化学兵器の脅威が取り除かれ、当たり前の恒久的・普遍的な平和が戻るのはいつになるか、彼らの戦いは続くのであり、我々は注視を続ける責任がある、「知る」をその第一歩にして。ペンは剣よりも強く、スマートフォンは銃や爆弾より強い、アルカイダからISが生まれたように、第二第三のISが誕生してもおかしくない現状、それを防ぐのは国際社会の責任であろう、大切なのは「これからの話」だと思う。
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