コディ

ラッカは静かに虐殺されているのコディのレビュー・感想・評価

4.4
上映後に有識者の方からお話があった。実際のシリアの犠牲者はアサド政権によるものが9割でありISによって命を奪われた人は割合で言えば3〜4%だという話。そして誰が誰の援助を受けどの立場から誰に向けて撮りたい映画なのかを知ろうという話。今事実上ラッカを支配しているのはアサド政権、ISと続いてクルド人であるというお話。情勢の移り変わりの速さったらない。
なるほど、なんといっても素直が売りな私は映画的脚色によってアサドという地獄からISというさらなる地獄に落とされたラッカという図を見てしまった。ISの脚色に満ちたメディア戦略に立ち向かうためのこの脚色。戦争というなら脚色に脚色で戦うことに間違いはないだろう。
ということで見事に脚色に乗せられISによる残虐の惨状と子供達の洗脳に震え、難民の迫害を助長する者にも日和見主義者の連中にもたった一面的視点のみで単純にもイラつき、総毛立ちながら涙目で観るのみの自分の惨めさを噛み締め、弱く死を恐れるただの人であるはずの、それでも本当に本当に強い彼らを心の底から敬う。
正直に言うとここまで見せられてなお、対岸の火事にしか感じ得ない。なんせ今こんなレビューを書いて書き終わったら自分のレポートをやろうなどと思っているのだから。そんな自分がくだらなく哀れで惨めで仕方がない。時にその種の自覚を皆余りに
持たなすぎではないかと思うことがある。そういう意味であらゆる人に見て欲しい。

こういった世界の存在を忘れずに生きる責務を全うする。 何と書いてあるのかもわからないRBSSのアラビア語のツイートをリツイートなんてしてみる。哀れで無力で他人の自分が命もかけずできることはこれぐらいしかない。そこがまた哀れである。