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スペインは呼んでいるのとぽとぽのレビュー・感想・評価

スペインは呼んでいる(2017年製作の映画)
3.5
「アーハー」もう安定の域に達した主演ふたりの本人役スティーヴ・クーガン × ロブ・ブライドンの名人芸的化学反応に阿吽の呼吸なお喋りとモノマネ大会が相変わらず最高ながら、製作当時の時事ネタ(ex. デヴィッド・ボウイの死、イスラム国ISISの台頭)にも大いに目配せして早速取り入れているスピーディーさが驚き。睡魔にやられない限りず〜っと見ていられそうな何気なさの中にジンワリそしてキラリと光る深い洞察と機知に富んだ悲(喜)こもごも。彼らも50代になり人生折返し地点過ぎた円熟期だけど、相変わらず悩みは耐えない《中年の危機》(作品を追うごとにその内実・方向性は少し違っているかもしれないが)。そしてご多分に漏れず今回も仕事にクリエイティブさを求めつつ、息子・女性関係にも頭を抱えるのはスティーヴ・クーガンでことごとくロブ・ブライドンのそれと対比される。と言いつつ今回はロブ・ブライドンもスティーヴのアメリカの元エージェントから第2のジェームズ・コーデン、サイモン・ペグ、リッキー・ジャーヴェイスにならないかと打診されたり...(そこは掘り下げられない)。けど、そういう悲哀や葛藤が分かりやすく表面化するのは主に一人でいる時で、日中ふたり一緒に行動しているときは基本陽性。特に今回はジェームズ・ボンドとデヴィッド・ボウイが最高すぎてお腹抱えて笑った!他にもジョン・ハートやマーロン・ブランド、執拗なほどのロジャー・ムーア、ミュージシャンからはミック・ジャガーにポール・マッカートニー等出てきます。このシリーズは本当にこのバランス感覚がスゴいし空気感が驚くほどに自然。妊娠に夢オチからの衝撃クライマックスにアー・・・(ハー)...『ビフォア』シリーズみたいにず〜っと続けてほしいけど、あの終わり方でどうするの!スティーヴばりに悪夢にうなされそう!

(アル・パチーノ風に)What do you got!? I got everything I need! (マイケル・ケイン風に)She was only nineteen. →まさしくそんな映画です(?)

P.S. 観客の圧倒的高齢者っぷり!

「アッラーは偉大なり!アッラーは偉大なり!」
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