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赤い雪 Red Snowのmuraのレビュー・感想・評価

赤い雪 Red Snow(2019年製作の映画)
4.0
湯布院映画祭にて。監督の甲斐さやか、主演の菜葉菜らをゲストに迎えて。来年の公開だからこれが感想第1号かと思っていたら2号になった(笑)

はじめて聞くこの甲斐さやかという監督のもとに(長編初監督作品)、佐藤浩市に永瀬正敏、井浦新に夏川結衣と、結構な役者が集い、主役には瀬々敬久作品の印象が強い菜葉菜をすえて…いや、なんで?…と思ったら、プロデューサーの強い思いによるのか。こういう映画づくりは嫌いじゃない。

いやぁ、アートだなと。映像に音に。初っぱなから「これは何?」と思わせる映像。そしてきつい音。引きこまれた。

雪のなか、神隠しのようにいなくなった弟。失踪したところにはアパートが。そこには素性の知れない母と子が住んでいて。11年後、その母子と一緒に暮らしていた男が焼死。焼けた家からは子供の白骨遺体が。数十年後、ふたつの事件を結びつけ、真相を探ろうとする記者があらわれる。そしてその子が生きていることを兄に告げる。兄は彼女に会い、数十年前の記憶をたどろうと決意する…

シンポジウムで話を聞くとどうしてもそれに引っ張られてしまうけど…監督は「曖昧な記憶」を描こうとしたとのこと。だから「アート」となるのか。

シンポジウムでもその点をめぐって観客の賛否が別れる。確かに抽象的なシーンは多いけど、ストーリーは決してわかりにくくはない。むしろ段々と説明が過ぎていったような…

でも、この作品のチャレンジは嫌いじゃない。次も楽しみ。

それにしても、永瀬正敏も佐藤浩市もシワが深い。濃い。それだけでも一見の価値あり。