あわじゅん

テリー・ギリアムのドン・キホーテのあわじゅんのレビュー・感想・評価

3.6
賛否両論あるでしょうが、これはこれでドンキホーテ原作に忠実なの世界観を描いているのではないでしょうか。

もっとこの世界観が彼我の極地にあり、私には伺い知ることはできません。ただは一つ言えるのは、初めてドンキホーテの本を開いた時のえもいわれぬ曖昧模糊とした妄想性のデジャヴに陥りました。

あの時わからなかった事が少しは分かるようになり、ドンキホーテの世界観の濃霧が少し晴れかかったような気がします。

また、もう一つはこれ以上この霧は晴れる事はないのではという思い..。
夢と現、過去と今、虚と実、善と悪の間をユラユラ陽炎のように蠢くキホーテ。

テリーギリアム自身がキホーテになりいくつの試練を乗り切り完成させた作品だからこそ、作品の中にその魂が宿り、このように昇華したのではないでしょうか。

このように哲学的、排外的な映画は久しぶりに観ました。