ニシカ

テリー・ギリアムのドン・キホーテのニシカのレビュー・感想・評価

3.8

「我こそはドンキ・ホーテ・デ・ラ・マンチャ」



 
紆余曲折・途中頓挫があったとはいえ約30年の月日の構想・製作期間を経て遂に完成!


CM 監督トビーが、10 年前に撮影した映画「ドン・キホーテを殺した男」でドン・キホーテ役に抜擢した靴職人 老人ハビエルと再会したことで、現実と妄想が入り混じった旅路に巻き込まれていく、。

 
ラリった脚本なのにジョナサン・プライスとアダム・ドライバーの渾身の熱演で、なんだこりゃなストーリーも正統派ロードムービーっぽく仕上がるんだから役者ってステキ。(いや、まぁ「ドン・キホーテ」って現実と物語の区別がなくなった男の話しではあるんだけどね、、)
 
それぞれのシーンはクラシカルで映画的でどこか懐かしさもあってめっっちゃめちゃ良いんだけど、全体を通して見れば非常にダメなテリー・ギリアム感が出てしまうというもう愛すべき作品ですね。(‪2時‬間弱の映画なのに‪3時‬間超えの体感を与えてくる!メリハリ・緊張と緩和・緩急はどこ行った⁉)


映画によって人生が狂わされた者達の物語でもあり、この作品が世に放たれるまでの経緯を思うとそれもまたメタ的構造であって、儚かなくも夢追い人だからこそ紡ぐことが出来た稀有な作品は、映画好きが観るからこそ輝く物語です。






ジョアナ・リベイロって女優さんが可愛すぎた。


 
 
ニシカ

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