エディ中野

テリー・ギリアムのドン・キホーテのエディ中野のレビュー・感想・評価

4.3
構想30年、頓挫回数9回って完全に呪われた作品がとうとう完成してしまった。

完全に狂気の物語です。
人の思い込み、勘違いをピュアで真っ直ぐと言うのか、狂気と言うのかを観る人に問う恐ろしい作品です。
冒頭からものすごい熱量と勢いに一気に引き込まれました。
登場人物のセリフや振る舞いが、いちいち過激で悪趣味で面白かったです。

相変わらずどの作品に出ても振り回されるアダム・ドライバーが最高です。
テリー・ギリアム作品といえばのジョナサン・プライスも素晴らしかったです。
オルガ・キュリレンコは珍しく悪そうな役柄を面白おかしく、美しくて印象的でした。
ジョアナ・リベイロもかわいかったです。

本作の公式ホームページで呪いの歴史が綴られてて面白かったです。

もはや陽の目を見ることなく忘れさられようとした企画が完成した瞬間、テリー・ギリアム監督はドン・キホーテになったんじゃないでしょうか。