外は雨

テリー・ギリアムのドン・キホーテの外は雨のレビュー・感想・評価

4.6
ドン・キホーテ。これはギリアム自身の創造と闘争の物語。我が名はドン・キホーテ・デ・ラマンチャ!風車に向かって戦いを挑む頭のおかしい唐変木に、はいはいついていきますともよ!もう我らはサンチョ・パンサ!困惑しながら、永遠の騎士の道へいざ共に行かん!

もうこんなん泣くわ。マジで。いつまでも風車に戦いを挑む人にきっと永遠に側にいてくれる映画だ。ジョナサン・プライスとアダム・ドライバー。本当にありがとう。ありがとう。ありがとう。もしかしてジジイジョナサン・プライスがこの年になるのを待ってやがったか!とか思ってしまうほどに。

‪これまでのギリアムの映画のように、ラマンチャの頭のおかしい男が永遠かと思いきや、違う永遠を見せてくれた事に、ギリアム自身が今、年老いていて、何かこう、寂しさと共にある喜びを感じました。観る人みんながサンチョ・パンサであり、ドン・キホーテとして旅を繰り返すような。‬

ショスタコーヴィッチのセカンド・ワルツを想起させる楽曲も素晴らしく響いていて。そのメロディのミステリアスで東欧的な響き。ワルツの永遠のダンス。


この映画、世の全ての何かを作る事を止めない人達への賛歌にしかわたしには思えなくて、ギリアムが今、老人になって自分以外の他者にもそれを感じさせるようなものになっていて、ずっと追ってきた者として、本当に全部ありがとうと思うのよ。そしてずっと元気に頭おかしい乱暴者でいろー٩( ᐛ )و
外は雨

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