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テリー・ギリアムのドン・キホーテのikumuraのレビュー・感想・評価

4.0
【テリーギリアムの見果てぬ夢】
構想30年、度重なる挫折の末に完成したという本作。
その模様をドキュメンタリーにした「ロスト・イン・ラマンチャ」(これが既に20年以上前の映画)も見たいな。。

ってか日本の映画館基本的にシーンとしてますなあ
コメディでよく注意するとウケてても、音は出さずお通夜みたいに静か(笑)
どのレベルでうるさいと感じるかは人それぞれだから、閾値の一番人に合わせるという意味では仕方ないのかな。

CMプロデューサーとして天才の名をほしいままにしつつどこかやさぐれているトビーを演じるのがアダムドライバー。
スペインロケでドンキホーテをモチーフにしたCMを撮っていた彼が、あるDVDを手にする。
それは彼が学生時代、近くの小さな村でドンキホーテをテーマに村人をキャストして撮った自主制作映画だった。
懐かしさからその村を訪ねた彼は、ドンキホーテを演じていたハビエルがいまだに自分をドンキホーテと信じているのを目の当たりにし、
そればかりか「サンチョパンサ、助けにきてくれたか!」(サンチョパンサはドンキホーテの従者)
と言われ、彼の冒険に巻き込まれることに・・・

制作の経緯自体がこの映画に重なる、というのも含めてメタな仕掛けが散りばめられた映画である一方、
ストーリーとしては既視感がなきにしもあらずだけど、
創る者・演じる者の矜持を見せつつ、独りよがりにならず見るものも一緒になってそれを楽しめるような作りになっていて個人的には好きだった。
後半、あーもうこの映画もいつか終わっちゃうんだよな、寂しいな。。と思ったのだけど、
そう思えるかどうかで映画への評価も変わってきそう。
ドンキホーテ、昔読んでて面白いと思った覚えはあるんだけどたしか第二部のはじめで止まってたなあ。。読み直したくなったし、ミュージカル「ラマンチャの男」も見たいな。

とにかくアダムドライバーがあんなことやこんなことになっててファンだった必見なんだけど、
ヒロインのアンヘリカを演じたホアナリベイロもジャンヌモローをちょっと思わせる感じでよかった。
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