imapon

テリー・ギリアムのドン・キホーテのimaponのレビュー・感想・評価

3.6
ついに構想30年に及ぶテリー・ギリアムのドン・キホーテ。完成したのは目出度い。とは言え自分が「ロスト・イン・ラマンチャ」を観て構想を知ったのは10年前だけどね。いづれにしても、だ。
映画はテリー・ギリアムらしい狂気と眩惑される展開で楽しい。笑える処にちゃんとパイソン風味があるのは嬉しい。
とてもスッキリしていて構想1、2年で作られたモノみたいなのは凄い。失われた金と時間は何だったんだろという苦労の欠片も見えない。

アダム・ドライバーのトビー はギリアムの投影だから彼の見果てぬ夢は映画製作。若きトビーに人生を狂わせた素人役者が二人。ドン・キホーテに抜擢された靴職人ハピエル(ジョナサン・プライス)、ラウル酒場の娘アンヘリカ(ジョアンナ・リベイロ)だ。ギリアムに狂わされた人も沢山居るんだろうな。そんな二人との関係にせつなさまで見せてくれてとても満足。
ハピエルを幽閉してる婆ぁとトビーが道化るスージーの歌(1925)好き。
imapon

imapon