◆Story
前作から続投のハーレイ・クイン、武器と凶器の専門家であるブラッドスポート、水玉を射出して敵をチーズに変える能力を持つポルカドットマンら凶悪な犯罪者たちを集め、特殊部隊が結成される。彼らは成功すれば刑期短縮、失敗すれば即死、命令に背けば首に埋め込まれた爆弾で殺されるという命懸けのミッションに挑む。
◆Infomation
監督と脚本を手掛けるのは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズなどのジェームズ・ガン。『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』などのマーゴット・ロビー、『パシフィック・リム』などのイドリス・エルバ、『ロボコップ』などのジョエル・キナマンらが出演する。
◆Review
ジェームズ・ガンはやはりオープニングアバンの天才で、どの作品も極めて優れた始まり方をしていたが、その中でも本作は極めて傑作に位置するだろう。
冒頭の10分ほどの展開はあまりに予想ができず、初見時は空いた口が塞がらなかった。特にTDAの活躍は『デッドプール2』だったり『The Boys』を感じさせるような無為さがあり、これをビッグバジェットの大作でやるというのはある意味で逆の期待値を超えるものになっていた。
個人的には女の子のように叫ぶマイケル・ルーカーがお気に入り。
過去の監督作でいえば『スリザー』や『スーパー!』を超えるレベルのタガが外れたような暴力描写が目白押しで、と思えば怪獣映画のような展開になったりと、本当にやりたいことをやっているだけなんだなと喜べる一方で、過去に罪を犯したものが立ち上がり、やり直しを図るというガン自身を象徴するような物語にもなっている。
ハーレイの槍だったり、ポルカドットマンの母親だったり、それぞれの伏線がスターロを倒すための伏線として機能していくシナリオも流石。
メッセージ自体も「GotG」二作で描いていた、「普通の人こそが真のヒーローになりえる」というものを一作で描き切っている。
選曲センスも相変わらず抜群で、個人的には物語を象徴する曲でありながらも「GotG」とは違ってハッチャケた音楽になっているところも良かった。