ゆめちん

世界で一番ゴッホを描いた男のゆめちんのレビュー・感想・評価

3.0
世界で一番ゴッホを描いた男

主人公のゴッホ愛に溢れた素晴らしい作品でした。

中国・深圳の"大芬油画村"でゴッホの複製画を20年描き続けているシャオヨンの、ゴッホに捧げる人生を映し出したドキュメンタリー作品。

"複製画を作っている村"が存在し、そこでは多くの画工が働き、職業として成り立っていることに驚かされます。
これがドキュメンタリーの醍醐味で、それだけでもこの作品を鑑賞する価値があるでしょう。

自分の描いた複製画がどの様に扱われているかを知った時の複雑な表情、実際にゴッホの絵を見た時のエネルギーに満ち溢れた表情、主人公の様々な表情が物語る心の奥底の思いがスクリーンに滲み出ていて、その生き様に思いを馳せずにはいられません。

本物のゴッホの絵を見たことで、"職人"から"芸術家"に目覚め、好きな祖母の肖像画や故郷の風景を描き始める姿は希望に満ち溢れ、これから先の明るい未来をはっきりと見据えているように思えます。

"絵に色を重ねるように、私たちは少しずつ歩んできた" この深みのあるセリフが心に残ります。
ゆめちん

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