世界で一番ゴッホを描いた男の作品情報・感想・評価

「世界で一番ゴッホを描いた男」に投稿された感想・評価

Katsufumi

Katsufumiの感想・評価

3.7
2019/97本目


20年以上ゴッホの複製画を描き続けてきた男

憧れの本物のゴッホの絵を見て、長年の悩みが溢れ出る

オリジナルへの意欲

ゴッホの【夜のカフェテラス】のカフェが今でも実際あるのに感動。行きたいなぁー

ゴッホの絵、また日本に来たら観に行こう
中国にある絵画集落でゴッホの複製画を描いて生計を立てている人々を描いたドキュメンタリー。

○中国の大芬(ダーフェン)という場所は絵画の複製画を大量生産することで生計を立てる人々が集まる村。
大芬(ダーフェン)にやってきて、本物のゴッホを見たことないまま何十年もゴッホの複製画を描き続けていたチャオという男性は、ようやく本物のゴッホの絵画と対面するが……

10年前くらいに見たバラエティー番組にこの村が出てきて、とても印象に残っていたので鑑賞しました。

その時のバラエティー番組では、モネの睡蓮の葉を絵筆でぐるぐるぐる~っと秒速で描いたり、ゴッホのひまわり……なのか????と思うようなオリジナリティ溢れる作品の数々を笑う作りでしたが、今作は最初から最後まで神妙な雰囲気でした。

本物のゴッホを見て、深く感銘するものの、自分のオリジナル作品がろくに無い事に気づくチャオ。いくら絵を描いても真似をしているだけでは『画家』にはなれないんだなぁと思い感慨深くなりました。
ゾロ

ゾロの感想・評価

3.5
ゴッホの複製画を描き続けていた男が
本物のゴッホの絵を見るという夢を
実現するためアムステルダムに訪れる
ドキュメンタリー映画

ともかく色々驚く

美術館のお土産コーナーの複製って
こんな作り方なの?
(特別な機械や技術で印刷してると思っていた)

こんな劣悪な環境で短期間に莫大な量を
複数人で分業制で製作してたの?

作品の筆使いや色彩を写真や
テレビから学んでる
(とんでもない職人技)

また、市場の六割は中国の「油絵村」と
呼ばれる村で製作されている

取引先を画廊と思い込んでいた事
市場価格を知ったショックは印象的
(労働対価に興味がないのか?
メールで注文受けるなら、販売価格ぐらい
ネットで調べられるんじゃない?と思った)

ちょうど、原田マハさんの小説を読み
松方コレクションで”本物”を見れる
幸せを噛みしめてきたタイミングなので、
色々と胸に沁みた

ゴッホの”アルルの寝室”も
鑑賞してきたが、名画と言われる
所以はよくわかなかった
knjmytn

knjmytnの感想・評価

3.8
自分を生かし、家庭も持たせてくれたゴッホへの崇拝的憧れが、自らの芸術の憧れへの巨大な障壁になっていて、もどかしさがすごかった。

でもその障壁を取り除くのもまたゴッホで、その瞬間がよかったな。

何万枚と描いてきたゴッホの原画とはじめて出会ったとき。
絵と真剣に向き合っている人の後ろ姿は本当に美しい。
その色づかい、筆の動き、そして絵に乗り移ってるゴッホの情念。

何万枚と同じ絵を描いてきたからこそ、原画の持つ芸術性の核と模倣との違いに強烈に気づけたんじゃないかなと思った。うらやましいし、そのかけてきた年月に尊敬しかない。

その後、ゴッホが描き、自らも何万枚と描いたカフェに実際に訪れて、絵を描いていた。
おそらくゴッホの模倣を描いていたけど、間違いなくそこではじめて、ゴッホから離れて自分自身が感じたものを少し絵にこめれたんじゃないかと思った。

そして帰国してからはついに自らの絵を描く!めっちゃ良い絵でやばかった。
アムステルダムに行くまでにいろんな中国のシーンが写されるんだけど、こういうの描いたらいいのに…って思ってたら最後に描いてくれた!ありがとう!
ゴッホのタッチで自らと繋がりの深い中国的風景と人物。いやもう完全に画家。

最後の自らの工房を描いた作品はその人物描写の拙さがアンリ・ルソー思い出したりしてすごく良い絵だった。

たぶん美術史的にはいまさらゴッホのタッチで描くこと、ていうかそもそもキャンバスに描かれた絵画が美術史の評価にあがることは難しいとは思うけど、尊敬する祖母と誠実に向き合い、自らの人生を見つめ直したあれらの絵が描かれただけでもう十分すぎる。
でもグローバリズムと中国独特の複製文化によって生まれた現代的絵画として評価されることもあるかな?全然専門じゃないんでただの妄想の羅列です。

ただ恐ろしいのは映画化によって知名度が出た彼の絵が、急にマーケットからの需要が高まって高騰するみたいな事態が今まさに起きてそうで怖い。そうするとあの誠実な絵が濁りそう。ただの個人的なワガママかもしれないけど。


あと複製といえばベンヤミンの複製技術時代の芸術作品とも絡めて書こうと思ったけど、すでに文字数多くなっちゃったので、気が向いたら後日加筆する。
中々、示唆に富むドキュメンタリーだった。

20数年、真作を生で鑑賞したことが無いまま、ゴッホの模造品を描き続けて生計を立ててきた中国の男。彼なりのプライドと自信を持っていたが、初めて行った取引先のオランダで、自分の描いたものが画廊ではなく土産物屋で無造作に並べられているのを見てしまい、自分は「芸術家」ではなく「職工」扱いだったという現実を突きつけられて、酒におぼれ…。

ほとんどすべての芸術は何かの模倣から始まる。だから「偽造」は罪だが、「模倣」はそうではない。ただ、この男が行っているのは、「偽造」でも「模倣」でもない「模造」。では、「模造」とはアート活動か単なる作業か。この疑問は男の自分の人間としての存在意義そのものへの問いかけとなっていく。

ゴッホ自身が生前、まったく売れず困窮していたことを考えれば、今、美術館で何重もの扉に厳重に守られている真作が、中国の地方の町で、多くの人間たちの生活を支えているというのは、皮肉と言えば皮肉。しかし、それが、時空間を飛び越える芸術というものの得体の知れないパワーなのかもしれない。

ドキュメンタリー映画としては、多少、演出過多のように思った。彼はわかりやすく苦悩し、わかりやすい結論に至る。戸籍のことなど社会問題も少し採り上げているが、一方で渡欧のためのビザ取得が容易だったりと、全体としては綺麗ごとに収まっている。そこに、中国の言論・表現統制への気配りを感じた、と言えば穿ち過ぎだろうか。

もちろん最後の彼の決意は麗しい。
ただ、彼はあるレベル以上のアーティストにはなれないだろう。

生活よりアート。家族より本能。その選択をためらわずに完遂できるのは、人類全体のうちのほんの一握りの天才か異常者しかいない。もし、両立させたとしたら、それは、知らず知らずのうちにでも何かを諦めたか、失ったからだと思うし、少なくとも映画を観る限りでは、彼はそういうタイプではなく、手先の器用なごく普通の家庭人だったからだ。
土偶

土偶の感想・評価

5.0
気づきから進むべき道へ。
生活のため20年間ゴッホの複製画を書き続けた中国人のドキュメンタリー。

ゴッホ自身と向き合う。

彼を通して観ると言葉に重みが出ますね。
舞茸

舞茸の感想・評価

-
中国の都会と田舎、中国とヨーロッパ、複製画を描く人たちとゴッホのコントラストがよいなあ
華

華の感想・評価

4.0
大芬の油絵村の存在がまず衝撃的だった。何千人もの画工が住んでいて、ヨーロッパのお土産屋さんで売られるような油絵の複製画を大量生産しているんだとか。
そんな油絵村で本物を見たこともないままゴッホの複製画を20年も描き続けている男性が念願のオランダへゴッホを見に行くドキュメンタリー。
感想が上手くまとまらない。展開がいろいろと切ないけど、主人公のおじさんを応援したくなった。
osugi

osugiの感想・評価

4.0
ゴッホの模造品を描いて20年の人が、自分の描いた絵がどんな扱いを受けてきたか、本物のゴッホを見た時の衝撃たるや。本物は人を動かすんだ。真似ばっかりはあかんのね。
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