しの田

おクジラさま ふたつの正義の物語のしの田のレビュー・感想・評価

1.0
 捕鯨問題について無関心な大部分の日本人にとって、観る価値はある。前作が対になっているため、中立な作品としてはコレがベストだろう。しかし少し予習をしてから観た場合だと、ドキュメンタリーとしては物足りない気がする。
 いろんな人にインタビューはしているが、日本の、太地町の、文化や生活にフォーカスしていると感じた。『ザ・コーヴ』や『ビハインド・ザ・コーヴ』は観ていないのだが、それらでは調査捕鯨やIWCとかのマクロな視点ではない、太地町というミクロな視点は盲点だったのだろうか?これを撮る意義はあったのだろうか?また、後日談をもっと掘り下げて欲しい気がした。世直会の彼が政治活動から手を引いたのは何故、公開討論のシーシェパード代表2人組が脱退したのは何故?もう一つ、個人的に調べるのが難しい科学的アプローチについて、分かりやすく説を紹介して欲しかった。やっぱ前作2つも観るべきだな。
 太地町の人達に密着した温かい映画であり、両陣営に正しい所と正すべき所があるということがよく分かる、ニュートラルに導くことができる映画。まあ、基本的には、人の繋がりが強い小さな町、太地町は良いところ!というメッセージが透ける。
しの田

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