FATMAX夜食のデブロード

バンブルビーのFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

バンブルビー(2018年製作の映画)
4.2
例えて言うなら『意外とオッサンでも満足出来るカフェごはん』の様な映画であった。

極めてクレバーな作りの青春映画でありながらシッカリとトランスフォーマーな部分を押さえている辺りはもうお見事としか言い様が無い。



歪(いびつ)なバランスの"CG爆盛り定食"である本家トランスフォーマーは完全にフードファイター向けであり、ノーマルの人には

『もう爆盛りシンドいっス!』

と第1弾はともかく回を重ねるほどツラい案件になって行った事は事実。

更に個人的には爆盛り大好きであるワシでもサスガに【最後の騎士王】はチョット救いようがない程にストーリーが酷すぎた。
オカズ爆盛りでもご飯がひと口分ではもうソレは定食(映画)として成り立ってないのである。


そこからのスピンオフである今回の作品は前日譚である。しかも自身あまり得手とはしていない"青春モノ"というジャンル。


しかしこの噛み合わせが実に美味(ウマ)い!
…違った、上手(うま)い!


確かにバンブルビーは本家爆盛り定食でも主人公(人間)の相棒的な立ち位置であり、コメディリリーフ役でもあった。
ゆえに人気キャラクターだったのは間違いない。
その"基本"を主人公の出逢いや成長、そして別れを描くストーリーに織り込む事で異質ながら新しく、それでいて王道のドラマとして構築されている。

しかも話のサイズに合わせたCGによるロボットアクションパートの配分やサイズ感が《絶妙なバランス》なのである。

そう!
ロボットアクションを蔑ろ(ないがしろ)にはしていない!コレ重要!!

決して大盛りではなく、かと言って物足りなさを感じる事はない。
それでいて物語の本質は見事に若者の物語。しかも映像的ルックも良い。
つまり本家が爆盛り定食ならば、コレはもう完全に

『バランス良く、食べて満足感もあるインスタ映えするカフェごはん』

なのである!!


当初は「イヤイヤ、トランスフォーマーですよ?何を小洒落た感じで出してやがるんですか!?」なんて思ってたよ、正直言えば。
でもメインやサイドのオカズは目立ちつつも ご飯もスープも付け添えもバランス良く配分して盛り付けまで凝っている。挙げ句に量も物足りなさを感じないと来たら そりゃ文句言い様がないw


《ヤラレタ!》という言葉はこういう時に使う言葉なのだろう…多分……知らんけどw


オープニングはいかにもトランスフォーマーなのだが、デザインをあえてアニメやオモチャで見た事のある あのルックにしている事がトランスフォーマーを知ってる人にはニヤリとさせ、知らない人にも本家以前の話と思わせるという一石二鳥な選択。
(初めて見た時にカマロじゃねえの?って言って悪かった!初代ビートルはナイスチョイス!!)


充分にヤバいけど強大過ぎない敵。
でもしっかり盛り上がるクライマックス!
そして最後は暖かい気持ちになる〆が訪れる。

トランスフォーマーでありながら青春モノで、単なる青春モノでなくバリバリのトランスフォーマーでもない。でもしっかりトランスフォーマーであり良質な青春モノである。もうナニ言ってんだか本人も良く分かってない!!ww


コレを足掛かりに本家CG爆盛り定食も是非…となる事は無理だとしても、今まで食わず嫌いの人には非常にオススメしやすい一品。

コレを書いてる現在はもう公開が終わっているのだが、レンタル開始された際には是非ともお試し頂きたいと願い スコアは高くした。