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籠釣瓶花街酔醒のこーたのレビュー・感想・評価

籠釣瓶花街酔醒(2012年製作の映画)
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あばたの男が吉原の花魁に、ひとめ惚れしちまったのが不幸のはじまり。いや不幸なんて甘っちょろいもんではないのである。吉原百人斬り。なんと実話なんだそうで。玉三郎のながし目、勘三郎の、これでもかというほどのあばた。見初めて、有頂天になって、縁を切られて、惨劇へ。「そりゃああんまり袖なかろうぜ」。燭台の灯りの下で、ぎらりと光る妖刀籠釣瓶。「籠釣瓶、よく切れるなあ」。おっかないったらありゃあしない。観ているあいだはよくわからないところもあって、ナルホド歌舞伎とはこんなものかな、という程度だったが、帰ってきて数日経っても、ずっと残っているのである。囃子に仕草、台詞の節回し、見栄。まさに動く浮世絵、聞く絵巻物語そのもの、といった趣がある。こんどは本物の歌舞伎を観に歌舞伎座へ、いつかはいってみたいものである。