幼少期からのインポテンツに悩まされている青年(田尻文人)が、不幸な生い立ちをもつ女性(中川梨絵)との出会いを通して、性の喜びを諭されていく。精神的充足を得るための性生活を綴っている、日活ロマンポルノ。
「お互いにインポ状態にある男女の、心の慰め合い」を描いている作品。主人公の青年と中川梨絵が心的セックスを求めるカップル、主人公の友人(清水国雄)と芹明香が肉体的セックスを求めるカップル。この2組のカップルの対比が、主軸となっている。
青年と中川梨絵は、インポの原因を把握することができているため、厳密にはトラウマとは言えない(トラウマとは原因不明の状態のこと)。トラウマ克服の過程よりも、カップルのセックス観の相違を楽しむための作品。
「ロマンポルノを作るということは、男性にとっての女神を描くことである」とは某監督の言葉だが、まさに本作こそが「女神もの」の真骨頂といえる。「自分は誰のために何ができるのだろうか?」という女神の模索に醍醐味が詰まっている。