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希望のかなたのあーのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
4.0
拝啓

 春分の候、いかがお過ごしでしょうか?
 
 桜のつぼみが春色に染まり、
笑顔と共に満開になるのを
心待ちにしております。

 さて、わたくしアキ監督の作品を
初めて鑑賞させていただきました。
観る前はシュールなヒューマンドラマ
だと勝手ながらに思っておりました。
作品を拝見いたしまして、
シュールな"社会派"ヒューマンドラマ
として驚いております。

 世情が危うい中、祖国から
逃げなければいけない方々を
迎える側として、優しさと悪意。
どちらを持つべきか問う映画でした。

 シリアの内戦の激化で故郷を
離れる際に妹と離れ離れになった
安田顕さんを爽やか増し増しに
したような青年が真っ黒な姿で登場。
地獄の黙示録かと思いましたが、
彼が故郷を離れる心持ちは如何様な
ものだったのでしょうかー。

 戦争は悲しみが満開です。

 希望が満開な方が嬉しいです。

 フィンランドにたどり着いた青年。
入国管理局で申請をし、妹を見つけ
妹とこの国で暮らしたいー。

 そんな彼の希望は打ち砕かれ、
彼の故郷では戦闘が行われておらず
"重大な害"といえるほどの危険は
発生していないー。

 彼は空爆で家も他の家族も失った。

 故郷に強制送還される事になる青年。

 逃げ出した先で出会う人々。

 拳と拳で会話。

 オッケー!!カモン!!
レストラン!!

 レストランの新しいオーナーと従業員達。
そして雇われる事になる青年。

  わさびはね、
  侘び寂び感じて
  ほんのりと。

 つきましては、この川柳は監督に
お伝えしたい所存でございます。

オーナー、JAPANの本買ってたよね!?

...取り乱しました。失礼。

 そうなって欲しくない。と願いながら
観ていた事が現実になりました。

 しかし何故でしょう。

 観終わりはタイトル通り、
希望を捨てない物語であったとー

 信じております。

 寒暖定まらぬ時期ですので、
ご自愛くださいますよう念じあげます。

       敬具
あー

あー