大道幸之丞

希望のかなたの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

希望のかなた(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

カウリスマキの映画は松本清張の短編のように冒頭から興味を惹くストーリーティングが見事だ。

本作はシリアからの難民問題とビジネスの再挑戦にあたろうとする壮年がそれぞれ、自己の問題を解決しようと行動する中でまさにこの2人が出会いお互いの事態を改善してゆく流れの見事さで、カウリスマキ作品には必ず漂う市井の人々の暖かさと優しさが本作にもある。

また、彼の作品は国家の「法」の存在と人間の本源的な「善悪」の価値判断を問いかけるテーマがあり、人間が安直に「法の奴隷」になることに対し警鐘を鳴らしているいるように感じる。