ふみぃぃeeeee

希望のかなたのふみぃぃeeeeeのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
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優しい気持ちになる。
重くて悲しいドラマのはずだけど、良い意味で気が抜けている。
カーリドの心情や状況はストリートミュージシャンが歌で語ってくれていた。
悪意に満ちたものは確かに存在していて、心苦しい気持ちになる時もあったけど、この映画では圧倒的に小さくとも優しい親切心の積み重ねが心に残るし、そちらの方を信じていきたいと思わせてくれた。
カーリドの事も捨て犬の事も重なり、どちらも平等に扱われている感覚。
外国のお寿司屋さんってそういうイメージあるっていうのを的確に突いてきて笑ってしまった。

[2023年 46本目]

他のユーザーの感想・評価

不思議な魅力が満ちてる一本。
40年くらい前のドラマみてるような気分になった。

難民として逃れてきてフィンランドに辿り着き、妹を探す青年のカリード。
そんな彼に手を差し伸べる、人生やり直し系レストランの支配人。

優しい人は優しいし、悪い人は悪い。
理不尽なことは世の中にいろいろあるし、救いの手が差し伸べられることだってある。
そんな風に世の中を淡々と映しながら、急にドでかいワサビを寿司に載せたりもする。
そんな映画だった。
OSHO

OSHOの感想・評価

3.7
シリア内戦から逃げた兄妹の物語。

シリア内戦で家族は死に、妹と2人だけなんとか生き延びたものの、逃亡中に妹と生き別れ、主人公の男がフィンランドまでたどりつき、難民申請するも、却下。
自暴自棄になっていたら、親切な小金持ちに助けられるという物語。

ドラマティックな人生だけど、映画の方はあっさり目に進んでいき、あとからじんわりくるタイプの映画。

小金持ちのレストランオーナーが、「いま流行ってるのは寿司だ!日本食レストランに改装しよう」のくだりの10分くらいは、日本人なら爆笑もの。

ヨーロッパには極右主義のネオナチがまだいて、小汚いアラブ系の顔をした人に(この映画のように)容赦なく暴力を振るったりしているのかも。

シリア内戦、難民問題、ネオナチ…、そのなかでの人々の助け合いを決して重くならずに、軽快に描いてくれている良作です。
静かに、気づかないうちに、でも確かに心の内側に入ってくるような映画
それでいてわさびドーンみたいなシーンいれてくるのほんとずるい
重苦しいテーマをシュールなユーモアで描いていく監督なんだな〜
いつも通り、唐突に始まって、嫌な事が結構あって、いい事が少しあって、何もなかったように終わる(続く)。
Memoryhook

Memoryhookの感想・評価

3.0
レストランの連中がゆるすぎる笑
厨房で捨て犬飼うな笑

でも世の中こんな感じでいいんだよなー
これぐらい肩の力ぬいてのんきに生きていきたいぜー
ボスがなんかかわいかった☺️

国とかまじでくだらない
なくならねえかなー国
飲んだくれの妻に愛想を尽かしレストランのオーナーとして第二の人生を歩もうとするヴィクストロムとシリア内戦により家族を失い故郷を追われた難民カーリドの2人が出会い、共にレストランで働く中でカーリドは生き別れになった唯一の肉親の妹をフィンランドに呼び寄せて暮らすことを夢みるが…。
フィンランド政府はアレッポの惨状を認識しながらも難民認定せず法に従って国外退去を下す、カーリドの周りの人間は彼を助ける為に偽造証やら秘匿など道義的に正しいと信じる行いの為に次々と国の法を破ってゆく何ともアイロニカルな映画で法律と道義どちらが行いとして正しいのかを提示していた。
移民問題が財政を圧迫し深刻化するフィンランドの背景や国粋主義者など現行の社会問題と民主主義国家の矛盾を描きながらも法を越えた人々の善意によって動かされる社会であって欲しいと願うカウリスマキ監督の希望のようなものが見える作品。
国の堅苦しい法律とは逆に優しく暖かい(呑気な)ひとたち。希望があって良かった。ラストシーンがとても好き。人生は続いていく🐶
アキ・カウリスマキ監督の「難民三部作」の第二作目。

前作の『ル・アーヴルの靴みがき』(2011年)がとても良かったので、本作にも期待していたのですがちょっと期待ハズレ。アキ・カウリスマキ監督はいつものパターンだと主人公は逆境に立たされ、伴侶と出会い、希望を見出す。このテンプレからハズレると、作品としてもハズレる可能性が高い。『マッチ工場の少女』(1990年)もそうだったし、『街のあかり』(2006年)もそう。

本作の場合は男女の出会いがないんですよ。フィンランドの現地人がシリアの難民を助けるという話。簡単に言えばそれだけ。前作『ル・アーヴルの靴みがき』(2011年)も縦軸は同じなのですが、横軸にはちゃんと男女の話があった。そして、そこに希望があった。

まあ、良かったのはいつもより音楽の要素が多いこと。『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』(1989年)を除けば、本作が一番音楽の要素が多いんじゃないですかね。
ゆかり

ゆかりの感想・評価

3.0
難民だけではないけども
困っているひとが
なんとか自分自身で
生きていけるような
そんなエンパワメンダブルな
優しい世界で在りますように。

スシの件は笑いました。
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